図書館へ行ってきた。サンフランシスコ市の中央図書館。映画「シティ・オブ・エンジェル」でニコラス・ケイジが住んでた図書館である。
借りるもののあてはないんだけど、とりあえず図書館カードを作ってみた。住所を証明するものということで、電話の請求書を持って、あとパスポートと。
6階建ての図書館は巨大だ。しかし、日本の図書館にくらべると、棚がまばらで、面積あたりの本の数は少ない気がする。映画に使われるだけあって、そこかしこが「気合入れてデザインしてみたぜー」という作りだなあ。
席はたくさん空いていたが、やたらいろんなところにPCが置いてあって、ネットを使いたい人が並んで待っていた。
新着雑誌をぱらぱら見て、ビデオやCDにたいして面白そうなものがないのをチェックして、結局何も借りずに帰ってきた。
Saeedが学生の頃に大麻を吸った話をしてくれた。
数学のテストで、Saeedは数学得意だったので、まわりのクラスメート達がSaeedの回答をカンニングするつもりでいた。Saeed本人は、前回のテストでもう単位は取れてたので受ける必要もなかったぐらいなんだけど。それが、テストの直前に、他の友達から「いい葉っぱが手に入ったよ」といわれ、つい、思い切り吸ってテストに望んだという。
大麻を吸ってると、気分が高揚してなんでもできる気になるらしい。調子よく証明を書きなぐって、紙をいっぱいに埋めたあたりで、効果が薄れてきてふと読み返してみると、自信ありげに展開してた証明はなにがなんだかさっぱりのタワゴト。
あーこりゃだめだ、と思って、大きくバッテンを書いて、Saeedはそのまま提出して教室を出てしまった。
で、振り返って教室を出ようとすると、自分の答えを写してた連中が呆然と自分を見ているのに気づいた。一生懸命長い証明を、自信満々で進めていたヤツから写してたのに、その相手が、突然バッテンを書いて途中でいなくなったんだから、そりゃ困るわな。
ということで、大麻は、気分が高ぶったり、物事がどうでもよくなったり感じるものらしい。
救急車に続いて、救急病院からの請求書が到着。あけてびっくり。$3000を越えた額が書かれてる。どうやら、ER代というのが$3000らしい。2時間ぐらい寝てただけじゃんか。
しかも、請求書には「あなたの保険会社が支払いを拒んだ場合は、あなた自身が払うことになります」と書いてある。英語が面倒で手をずるずる延ばしてたんだけど、警察の調査担当者に電話して、轢き逃げ事件の調査状況を聞いた。
まず、僕の説明を聴きたいというので、説明した。横断歩道を歩いてたら、左後ろから来たタクシーにぶつかられた。ドライバーは僕を引き起こしたけど、すぐ去ろうとしたので、「大丈夫かどうかわからないから連絡先をくれ」と言ったら、ちぎった紙に適当なことを書いてよこし、そのまま逃げ去った、と。
警察も、ちゃんと動いてはいたようだ。タクシー会社と車の番号から、ドライバーを特定し、状況を聴いたそうだ。ドライバーは、「僕が『大丈夫だ』と言ったので去った」と言っているそうだ。
大丈夫じゃないかもしれないから連絡先をくれ、と言ったんだ。彼のくれた紙切れは警察に渡したと思うけど、そこに書いてあるのはとても読めない内容だったし。と調査担当者に伝えると、たしかに紙に書いてあるのはドライバーの住所とはまったく関係がないデタラメだった、と言っている。
それから、調査担当者は、僕がどうしたいか、を聞いてきた。つまり、僕が希望すれば、ドライバーの交通違反で免停を喰らわせることもできるが、ということらしい。そんなことされてもしょうがない、治療費を払ってほしいだけだ、と言ったら、じゃああとは直接本人に連絡してくれ、ということだ。
僕を轢いたタクシードライバーに電話して、留守電に用件を入れたのが昨日。その彼から電話があって、会って話すことになった。
ジャパンタウンはどうか、と言われたが、チャイナタウンのほうが近くて楽だといい、よくいくチャイニーズの店へ。相手は20分遅れで来た。中国系の4,50代のおっさん。
とにかく英語の発音が悪くて、というとお前はそんないいのか、と言われそうだが、たいへんな交渉だ。お前は何が望みなんだ、と言われたので、救急車代と救急病院代の請求書を払ってほしい、と。警察に頼んであなたを免停にしてもらったりしても僕は嬉しくないし、弁護士を雇って闘ったりするのも無駄だから、請求書さえ片付けばそれ以上のことを要求するつもりはない、とも。
車の保険は持ってるだろうから、それを使ってくれ、と言うと、何か色々説明する。どうも、保険を使うとその後の保険料が2,3年に渡ってバカ高くなるので、保険は使いたくないと。じゃあどうすんの、というと、直接僕に全額払うから、僕がそれを病院に払え、と。
$4000近い金を僕に払っても、まだ保険料の値上がりのほうが高いんだって、日本じゃそんなのありえないよなあ、と思うけど、タクシードライバーというプロの保険だと、そのへん厳しくなるのかもしれない。
ただし、金がすぐにあるわけじゃないので、毎月$1000づつしか払えない、と来た。病院が支払いを待ってくれないからそれじゃ困る、といったら、病院の支払いなんてそんなもんだ、とそのドライバーは言う。何ヶ月かかっても払いきればいいんだ、と。ほんとかなあ。
どうも、こんな話に乗っていいのか、あくまでこっちはこっちの都合を押し通すべきじゃないのか、と迷ったので、友達に相談してから答える、といってその場はおしまいにした。
米国国税庁のサイトに行くと、無料でオンライン申告できる会社のサイトを紹介してくれるとある。自分の条件を入力していくと、じゃあこの会社はどう? という結果がでてきて、そのサイトへ移動。
なぜこの会社は無料で申告を手伝ってくれるのか? よくわからん。納税者の個人データを集めるため、というのがまずありそうだ。家を買ったり、複雑な申告が必要な人からはお金を取れるようになるわけだし、顧客の囲い込みということかも。
ソーシャルセキュリティナンバーを入れて、ユーザ登録。本名、生年月日、配偶者有無、住所、職業、昼間の連絡先、子供の有無、などなど。
ここで一旦広告がでてきた。$7.95払うと、払い戻しまでにかかる期間が半分になるサービスが受けられるという。このへんがよくわからん。一ヶ月が半月になるらしいけど、たった半月早く還付を受けとるためにさらに金を払うというのが。大消費国アメリカらしい話というか。いくら払い戻されるかわからないけど、そこまで「あればあるだけ遣っちゃう」人たちなのか。
給与については、会社経由でもらっているW-2というフォームにある数字を順番に埋めていくだけで簡単に終了。次に、銀行の利子について申告。たいした利子じゃないんだけど、銀行から来てるフォームがあるはずなのでそこから書き写せといわれる。そんな手紙はもらった記憶がないんだが。。。
オンライン確定申告だが、いざ出そうという段になって、州の税務署の「顧客番号」というのを入力しなければいけないということがわかった。これ、初めての人は電話してくれ、とあるので、電話したところ(12分待たされた)、「免許証番号をどうぞ」と言われてしまった。免許がない外国人は、初年度はオンライン申告できませんだと。
オンラインサイトの出力をプリンターに出して郵送するだけなんだけど、それでも郵送の分面倒だね。ま、2年目からは顧客番号とやらを貰えるそうなので、来年はもっと簡単に済むだろう。
僕を轢いたタクシードライバーに再び連絡。まわりのみんなに聞いてみたところ、自分の保険会社に支払わせたうえで、僕が加害者からも治療費を受け取るとすると、二重にお金が入ることになるのでまずいんじゃないか、という意見が多かった。
僕も、余分の金がほしいわけじゃなくて、治療費分を払ってもらえばいいと思ってるだけなのだ。加害者に電話してそれを説明しようとしたけど、電話じゃ英語が通じないから結局また会うことに。
直接、僕の保険会社と話をして、保険会社が払った分を彼が払うことで話をつけた。
サンフランシスコで観察した巻き寿司の種類
- カリフォルニア巻き(カニカマ, アボカド)
- アラスカ巻き(スモークサーモン, アボカド)
- ハワイ巻き(ツナ, アボカド)
- ニューヨーク巻き(海老, アボカド)
- フィラデルフィア巻き(スモークサーモン、クリームチーズ, アボカド)
- ロックンロール(淡水ウナギ, アボカド)
- シャケ皮巻き
- 海老天巻き
- スパイシーツナ巻き
- カッパ巻き
- 鉄火巻き
- 野菜巻き
- 手巻き(具は不明。手巻きっつーのは、あのすだれみたいなやつを使わないってことか?)
- うなきゅう巻き(うなぎときゅうり)
- ドラゴン巻き(カリフォルニア巻きの唐揚げ)
- アスパラガス巻き
- スパイシーカリフォルニア巻き
さて東京出張まであと数日となったが、仕事の上では前哨戦が始まっている。
一緒に仕事をする人たちは問題ないんだが、別のプロジェクトで一人、なにが気に食わないのか絡んでくる人がいて困っている。自分がよく知らない方向に話が進むと、謎の詩みたいなものを掲示板に書き込んでくるんだけど、言いたいことも不明で文章になってないので誰も反応できない。
無視すればいいと言われるけど、この人がこの謎の書き込みをすると色んなところで議論が止まったり発散したりするんだよね。しかも本人は理路整然としているつもりらしい。何度もこんなことがあって、反論するんだけど、都合が悪くなると返事しなくなる。で、また別のところで同じことを繰り返す。
で、仕事の邪魔なので「あなたの言ってることはさっぱりわかりません」と書き込んでしまった。そしたら取りあえずは妨害も止まった。書き込んでから、ああ、思ってることをそのまま書いちゃうなんて、ぜんぜん日本的じゃないや、と思ったよ。
アメリカ帰りで口の悪いやつって、まんまドラマや漫画に出てきそうなタイプだな。んでもって、最後は熱血主人公に負けちゃうの。
いちおう、この人物、社内の誰に聞いても「ああ、あの人はコミュニケーション取れない人だから」とか言われてしまうので、こちらが間違ってるとは思わない。しかし、本人のためにもならんから、おかしいと思ったら本人に忠告してやれよ、と思ってしまうのは、アメリカナイズされてきたのかしら。
荷造りが済んでないので、めずらしく定時に仕事を終えた。同僚とは数ヶ月の別れである。景気も悪いし、アメリカだから、数ヶ月後にまた一緒に仕事をするかどうかも、絶対とは言い切れない。みんな本当のプロフェッショナルで、できることならもっと仕事をしたいとは思っているが。やっぱり寂しい気持ちになってしまう。
部屋の掃除をして、最後の洗濯をして、空港までのシャトルタクシーを予約した。今回はディバッグ一個というのはとうに諦めていて、スーツケースだ。減らしたつもりでもかない重い。おまけに、手荷物のディバッグには、パソコン2台(会社のと個人の)、ハードディスク3台入ってるし。
フライトの前後にイラク侵攻が始まりそうだし、それに絡んだテロも心配されている。どうなることやら。
東京のオフィスに出社。席もPCももらい、なんとなく仕事を始めてなんとなくなじんでしまう。仕事の文化という意味では、長年の日本式が身についてるからね。
イエスタデイズをうたって、と、ハネムーンサラダを読んだ。こういうの読むとせつなくなるねぇ。
ハネムーンサラダのほうは、シェアと言えないこともないが、くっついちゃうのでなし崩し的に同棲になる。
どっちも、日常の生活の中のなにげない悩みとかを描いてて、そのへんは荒唐無稽ではないんだけど、それでいて漫画としての美化率が高くて、ようはファンタジーではあるわけだ。
ええ。なんか漫画読んで寂しくなっちゃったんですよ。